


・毎日新聞社
夏目房之介
2009/5/30 発行
254p
12.5×19.5cm
「遅読の王」を自任する作者が 56 冊の本について語る。
出だしは、祖父・夏目漱石。自分の問題だと思っていたことがその作品の中にある。それほどの普遍性を持った作品群だった、と語る。
堅苦しい話だけではない。マンガ評論も得意とする氏は、「動物のお医者さん」「ベルサイユのばら」も俎上に載せる。
装丁は祖父江慎。文字や配列が独特だが(三枚目の写真)、これは「時代錯誤なほど『活字が偉い』という雰囲気」を狙った結果である。
・対象となった作品(一部)
人工楽園(シュテファン・コッペルカム)
アジア達人旅行(下川裕治)
神の代理人(塩野七生)
兄貴(真樹日佐夫)
あと千回の晩飯(山田風太郎)
酒仙(南條竹則)
どこかに●いってしまった●ものたち(クラフト・エヴィング商会)
モモコさんと僕(林静一)
日々是好日(森下典子)
今夜も落語で眠りたい(中野翠)
夢の国のリトル・ニモ(ウィンザー・マッケイ)
遥かな町へ(谷口ジロー)
沈黙の艦隊(かわぐちかいじ)
ベルサイユのばら(池田理代子)
マンガ産業論(中野晴行)
萌えるアメリカ(堀淵清治)
戦争はいかに「マンガ」を変えるか(小田切博)
言語にとって美とはなにか(吉本隆明)
敗北の構造(吉本隆明)
著作権の考え方(岡本薫)
怪帝ナポレオンⅢ世(鹿島茂)
よみがえれ、哲学(竹田青嗣/西研)
ことばと文化(鈴木孝夫)
現代社会の理論(見田宗介)
戦後日本のジャズ文化(マイク。モラスキー)
「かわいい」論(四方田犬彦)
一日一書(石川九楊)
うらなり(小林信彦)
身体から革命を起こす(甲野善紀/田中聡)
ラッキーウーマン(竹中ナミ)
人は成熟するにつれて若くなる(ヘルマン・ヘッセ)
漱石俳句集(夏目漱石)
本書は、「バーゲンブック」です。
「バーゲンブック」とは、出版社が定価拘束を外し、自由な値段で売れるようにした本です。古書とは違い、誰かが購入した中古品ではありません。